カーボン式映写機

名画座ギンレイホール の創業30周年記念イベント、
“映画ポスター・スチール写真展”を見てきました。('05.2月)
1980年代までに製作された名作のポスター、写真。懐かしい映画看板の展示と並び、
旧式映写機の展示と、現存する最も旧式の映写方法であるというカーボン式映写実演がありました。



link_29kb
1 カーボン式映写機

カーボン式映写機は1950年代に活躍した映写機です。
まるで画材の擦筆のような、カーボン(炭素棒)を
ランプハウスで燃焼させ、その光で上映すると聞いて、
『炭火程度のチラチラ暗い映像になるのだろうか?』
と思ったら、大違い!その光はご覧の通りとても強いのです!
この映写機は映写技師さんの個人所有で、付いている煙突は
映写技師さんの手作りだそうです。熱を逃がすためのもので、
モクモクと煙を出すわけではありません(笑)

link_71kb
2 カーボン棒

口頭で説明をしてもらっただけなので、詳細がよく分からない
のですが、2本の炭素棒を向かい合わせに設置して、
その先端を着火。炭素棒が燃えて短くなると、
光源がどんどんずれてしまうので、
炭素棒の距離を手で調節しながら上映するのだそうです。
昔のフィルムは可燃性で(ナイトレイト・フィルム−爆発もする)
映写技師にとっては大変危険な環境での作業だったそうです。

3 日本で1人の映写技師さん

この日、カーボン式映写機で上映された作品は、アニメ史に残る
名作にして、1987年アカデミー短編アニメ賞受賞作品、
“木を植えた男”。実は上映途中でフィルムが切れてしまい、
その修復作業中の写真です。照明がついているのはその為。
この映写技師さん(77歳)は、今でも北海道で、ワゴン車に
この映写機を乗せて、各地で移動式映画館を開いているそうです。
現在、カーボン式映写機で上映活動をしている方は、
この映写技師さんただ1人と紹介されていました。
貴重な映写機と映写技術で、しかも“木を植えた男”をフィルム
で見ることが出来たことは、宝のような経験だと思います!
カーボン式映写機での発色は、よく、温かみのある映像と
紹介されているようですが、今回の上映は、作風と、フィルムの劣化と、
映写機の相乗効果で、映写機自体の特性は、
ちょっと分かりづらかった。と、冷静に鑑賞。

4 カーボン式、そのループ部分

ギンレイホールの社長さんに、私のデジカメのメモリーに保存
されていた、アニメのカメラ&カメラ台の写真をお見せしながら、
『今では、フィルムアニメ撮影台は、解体され廃棄処分になっている』
と話したら
『いつかギンレイが、カメラの資料館とか作ったら、そのような
カメラも展示したいなぁ 』と話していましたよ。
そーゆー形でも、残ってくれると嬉しいなぁ。

5 ローヤルニューL型映写機

こちらは昭和20年代に製造販売された日本製の
旧型ランプ式映写機が、手前と奥に2台映っています。(高密工業社製)
ギンレイホールで、平成8年12月まで使用されていたもの。
ランプがひどく熱をだすので、1本の映画の上映を2台の機械で
交互に映写するそうです。その為、上映中のスクリーンの右端に
機械交代の合図ポイントが写しだされます。
なるほど、上映中に何度かポツポツ入るしるしらしきものは、
そんな意味がったの、かな?


枠が太い写真は少し大きい写真にリンクが張ってあります。

          Copyright  ©  夏撮影室  All Rights Reserved.